ところで、「テラコヤ!」での大河内さんの発言、あんまり言って欲しくないなあ。
同性が好きだからどーだこーだ、というのが嫌なわけではない。
(ネタバレになるので、隠します)
これは「テラコヤ!」や公式ガイドブックにあった、大河内さんが神戸くんに一方的にプラトニックな戀愛感情を抱いている、という発言を受けてのものです。
ワタクシは、「人間は自分の感情でしか動かない」と思っています。
モノゴトに対してもヒトに対しても、ともかく人間は感情でしか動かないのです。
好きでも嫌いでも、その感情が大きく動くとき、ヒトはとてつもない行動力を発揮する。
けれど世の中にはたくさんのヒトがいて、いろんなことがあって、
感情ではこう動きたい、でも節制したり律したりしなくてはならないことがある。
人は大なり小なり、自分の感情をコントロールしながら社会に生きています。
それらを吹っ飛ばしてしまうのが、戀愛感情で動いてしまう、ということです。
現実にも、好きだから気を引きたいからとすごい金額を横領しちゃったり、とかあるし。
だから今回の、SDカードを神戸くんに渡したのを、「戀愛感情で」とされてしまうと、とてももったいない…。
大河内さんはリップサービスで言っているのは承知していますが、しかし
公式ガイドでもなんだかそんな話になっているし、裏設定では悪くないけれど
あまりに語られすぎて「あー好きだからなんだあ」と認知されてしまうと、とても惜しい、と思います。
ラストに官房長が神戸くんに「杉下に影響されて、青くなっちゃったねえ」と
揶揄されるところがあります。
自分の感情だけで動けない大きな組織(それはワタクシたちの現実に重なる)
そこで「青いといわれようと、自分の中の正義(感情)に従って動き出す爽快感」が、
この映画の面白さの1つではないかと思うのです。
鬱屈したままで終わらないだろうことは、いちばん最後の、杉下さんの言葉に現れています。
杉下さんなら何か結果を出すのではないか。最後に見えた、これは希望の光。
そんな杉下さんと行動を共にすることで影響を受け、青くなった神戸くん、
その神戸くんに感化されて青くなった大河内さん。
そうであって欲しいなあ。大河内さんの動機は戀愛感情であって欲しくないなあ。
ワインのシーンで、大河内さんが神戸くんに気を許しているのはわかるし
(映画館でも見てきた! かすかに微笑んでいたよ、それがとても良かった)、
12人のお偉方の前で立場を弁えず、あからさまに不満をアピールする神戸くんの姿に
彼もまた、大河内さんには特別な親近感を抱いているのが伝わってくる。
車の前に2度も現れることからも、神戸くんが「自分の気持ちを理解して欲しい人、わかりあいたい人」であることがわかる。
その神戸くんの情熱に触れ、一瞬「青くなってしまった」大河内さんであって欲しい。
「俺の好きな人がこんなに必死に」とかではなく、特命係の情熱に感化された人間らしい行動であって欲しいなあと思う次第です。
やー戀愛感情を絡めるとダメでしょ。
だって犯罪を含め、突拍子もないどんな行動の動機にも成り得るんだもの。
ストイックで堅物っぽくて、しかも組織を重視しているような人間が、崩れたところ、というのが色っぽいです。色戀ばかりが色っぽいことではありません。
ところで色っぽいといったら、みっちーですが。
今回もまた、そのキュートな姿を堪能してまいりました。
朝日奈圭子を止めるために、画面に入ってくるところ、そのままこちらをまっすぐに見据えるところ。
まなざしはレーザービーーーーーム!!
カッコいい。かっこ良すぎる。
あと、染料工場で「うぅ」っときちゃってるシーン、右手で口元にハンカチを当てていますがその仕草(手つき)が美しい。そしてなぜ左手を腰に当てる。見苦しくなりそうな「うぅ」なシーンでもポーズがキレイ。抜かりなし。
あとあと、ラストの官房長に鋭い言葉を投げかけられ、官房長の顔を見られない演技も良かった。
目を合わせられずにいて、最後の方で少し、目を上げてこっちを見るの。神戸くんの弱さが出ていた。
その後、杉下さんが映るんだけど、こっちはもう最初からまっすぐな瞳で官房長を見据えている。
その対比も良かったなあ。杉下さんは決して揺るがないけれど、神戸くんは時折ふらつく。そこもイイ。
あとあとあと、杉下さんが「事件は我々が解決してみせます」と言っていて(予告にもあるシーン)、「我々」と言ったそこには神戸くんしかいなくて、ああ、神戸くん、相棒なんだなあと再認識したらとても嬉しかったです。