一方でトンチキなドラマ

「山壁」は作者が女性とはいえ男性誌に掲載されていたので、ちょっとエッチなオフィスラブコメとかそういう位置づけだったのだろうか? それとも脚本が悪かったのだろうか? 放映当時も「どうなの」と思っていたが、年をとったいま(!)見ると、さらに嫌悪感が。冒頭から執拗に胸へのコンプレックスを描写する。壁、と称される伊藤美咲だけでなく、他の登場人物たちも「素敵な胸をもっているか」がこのドラマの世界でのヒエラルキーだ。
女性たちで争っているだけならまだしも、そこへ男性がなだれ込んできて、「あの胸が素晴らしい」と称賛する振りをして引っかきまわしていく。大丈夫か丸腰デパート。
このトンチキな物語はそのまま、いやらしいと思う方がいやらしいとばかりに進んでいく。いやらしいのではなくおかしいのだが、それには頓着しない。女性は誰でも、大なり小なり性的なことで嫌な目にあったことがあるのではないか、とワタクシは思うのだが、そういう目線は欠落したままだ。
さらに舞台となるデパートのバッグ売り場で、なかなか売れないバッグを称して「行き遅れ」と。そ、それは…ワタクシが年をとったせいなのか、それとも行きお…、い、いや! それはどうでもいいとして!! その呼称はどうなの? 執拗に性的な煽りを繰り返された上に行き遅れ。別にフェミとかではないのだけれど、耳にするとゲンナリしちゃうワードがてんこ盛りでさらに困惑だ。
本当にこれ、作者は女性なのか。これが楽しいと思って描いていたのか?
そういや同じ作者が描いた「ハゲしいな桜井くん」も頭髪のコンプレックスを扱っていた。
たぶん、作者の頭がオカシイのだと思う。
さて。
みっちー演じる専務は、「これぞ!」という、当時の彼のパブリックイメージそのまんまの役柄。
お洒落で顔は良いけど、中身がボンボンでボンクラ、女好き。振る舞いが気障。
みっちーが上手に演じれば演じるほど、素でやってるんじゃないの?(演技できないんじゃないの?)と思われそうで、いまのワタクシがイライラしています。
いや、いまはもう、演技の幅が広いことは知れ渡っていますが、非常にじれったい。あと前髪おろしているのが可愛い! じれったい!
それから小池栄子ね! イイね!! あーワタクシはホントに小池栄子が好きだな。
みっちーと栄子ちゃんが共演した「朗読劇 ラヴ・レターズ」(2012/9/25)は、本当に良かった。みっちーも良かったんだけど、最後の最後に栄子ちゃんに持っていかれた。
ラブレターズは幼馴染みの男女の物語なのね。どちらも立派で美しい人物ではない。人間臭くて、恋のような気持ちも芽生えながら、ちょっとのことで何度もすれ違ってしまう。あと性格も特別良くもない。むしろどちらも面倒くさい。
アンディを演じるみっちーは、幼いころは声色を変えて、本人の表情も実に豊か。体も自然な感じで動いていたと思う。その演技がスゴク良かった。一方、栄子ちゃんは、役柄はエキセントリックなんだけれど、みっちーほど身体表現は豊かでなく、ずっと正面(朗読の本)を見つめているような演技だった。それが最後に、アンディに声をかけるシーン。
「大丈夫よ、アンディ!」
パッと右に座っているみっちーを振りむいて、鮮やかに笑ってみせた。
静から一転の動。見事だったなあ。
あれはいまでも忘れられない。
そんなワタクシ大絶賛の栄子ちゃんの演技は、第1話から絶好調です。栄子おおお!! ジオン公国に栄子おあれええええ!!!
あと章ちゃんもイルヨー。
やっぱ、続けて見るか…。